森と暮らしをつなぎ、人と人をつなぐ。森の五感を届ける定期便がはじまります

森と暮らしをつなぎ、人と人をつなぐ。森の五感を届ける定期便がはじまります

森からまちへと“森の五感”を届けていく。
やまとわでは、2025年7月から“森と暮らしをつなぐ定期便”がはじまります。

“森と暮らしをつなぐ定期便”とは、どんなサービスなのでしょうか?
どんなものが届くの?どんな人を対象にしている?
定期便の内容を考えている榎本さん(農と森事業部ディレクター)と森林ディレクターの奥田さんが語り合いました。

暮らしに森を届けよう
森の近くにいなくても、森を体験できる定期便

間もなくスタートする定期便。奥田さんがこのサービスを始めようと思ったきっかけは、どんなものだったのでしょうか?

奥田:僕らは「森をつくる暮らしをつくる」を掲げて、いろんなプロダクトをつくっていますが、なかなかプロダクトだけで森を届けるのは難しいな、と感じています。森のことを知ってもらうには、実際に森を体感してもらうのが一番。
だから「森に遊びに来てください」という声掛けをしたいところなんですが、森に来てもらうのって実は結構大変だし、普段森に来ない人が森を楽しむのは簡単じゃないんですよね。

榎本:確かに物理的に森が遠いということもあるだろうし、森に来たとしても何をしたら良いのかが分からないという方が多いかもしれないですね。

奥田:いきなり森に来て楽しむというのは現代人にとっては結構難しいことです。森に来てのんびり過ごすと言われても案外イメージが付きづらくて、結局森の中でスマホの中のコンテンツを眺めていたりする。僕らがイベントを企画して、東京や大阪から参加してくれた人たちに「じゃあまた来週も森にきてくださいね〜!」って、実際にはできない。森に来てもらう、といってもやっぱり年に数回が限界だよなぁ、って。

榎本:確かにそうですね。今度来れるのは来年になるかもしれない。それも、結構さみしい。

奥田:なので、来てもらうのが難しいなら、僕らから「森」を届けよう!って考えたんです。ここ数年、トークイベントでお話する機会をいただくんですが、「都会に暮らしながら、森にできることってないですか?」という質問をよくいただくんですよね。その度にうーんと悩んでしまうのですが、そういう方にも届けられるようなサービスが良いなって考えていました。

奥田:実は定期便というのはずっと考えとしてあったんですけど、経木や木製品だけでは毎月届けられないなと。毎月、椅子が届きます。4脚届いたらテーブルが届きますってそんなの嬉しくないじゃないですか(笑)

榎本:嬉しいけど、超高級サービスになりますよね...。

奥田:毎月20万とか30万の月額とかになってね。それに椅子が勝手に届いても困りますよね(笑)

榎本:せっかくならデザインも選びたいです…

奥田:木工製品だけでは難しかったんですが、“農と森の関係を作りなおそう”ということで始めた農業や農産物をつかった加工品のYAMAZUTOをやり始めたので、やっと定期便というサービスをはじめられるようになりました。

ものを届けるだけでは終わらない
顔が見える関係性でつながる“森のTribe(仲間)”

森を届ける“森と暮らしの定期便”。森を届けたいという思いだけでなく、もうひとつの思いが込められているといいます。

奥田:ここ数年で僕らの商品がECなどでもたくさん売れるようになってきました。それはめちゃくちゃ嬉しくて、ありがたいー!って思うんです。
でも、5年前に信州経木Shikiの販売を始めた頃、買ってくれた人の送り先などをみながら、「え、この人福岡県。どうやって知ってくれたんだろう?」ってスタッフでよくやりとりしたりしていて。

榎本:そうそう、みんなでよくそういう会話をしていました。「福岡から注文来たよ〜」って大盛り上がり。

奥田:その人のことは知らないんだけど「どんな人なんだろう」とか「こんな風に使ってくれたらいいな」って想像する余白があった。
いま注文がどんどん増えていることは本当にありがたいことなんですけど、購入してくれる人がどんなひとなんだろう?っていうネットの向こう側にいる人のことを想像するような余白が少なくなってきている気がします。

榎本:最初は、わーわーみんなで言いながら発送していたものが、少し業務的になっていってしまいますね。

奥田:「あぁこの人、リピートしてくれているな」とかは分かるけど、知らない名前が想像以上に多くなっていく。

榎本:たくさんの方に注文いただくことは、すごいことなんですけどね。たまにもらえる感想や「プレゼントして喜んでもらいました!」みたいなコメントをもらったりすると、誰かの暮らしに届いてるなぁって実感しますよね。

奥田:そうそう。ほっこりしますよね。
僕らはものづくりの中で、“誰が伐った木で、誰がつくったか分かる”ことを大切にしているけれど、「誰が使ってくれているのか」ということまで見えることが、難しくなっていくな~っていうのを感じていたんです。

奥田:人類学者のロビン・ダンバーが健やかなコミュニティを育めるとした人数は、150人。これはダンバー数と呼ばれるものなんですけど、彼は500人を“部族・種族(トライブ)”と分類しています。
さらに経済学者のE・F・シューマッハは、150人〜500人程度が“顔の見える関係”を維持する上で自然な規模としているんですね。
そこから僕らの定期便の目標はまず、150人。さらにこのプロダクトが広がってどんなに要望が多くても500人以下にしようと考えています。部族を超えてはいけない。やまとわのスタッフも含めて、“森のTribe(仲間)”として500人以下の顔が見える関係性を作っていきたい。

榎本:私も本当に楽しみなサービスが始まるなと思っています。上限を決めちゃうんだっていうところが面白いし、思いを共有できる仲間をつくるためのサービスっていうのが、私が好きな温度感です。

奥田:笑い話で話しているけど、お客さんから「もみじ饅頭」が届いたらいいねって。

榎本:欲しい~(笑)

奥田:「広島に行って来たので、お土産です~」って。
須坂市(長野県北部)にある“ゲストハウス蔵”のオーナーの万里奈さんがすごくチャーミングな人なんですけど、泊まりに行く人たちが、まるで友達に会いに行くみたいな感じで宿に泊まりにいくのに、お土産を持って来てたりするんです。そういう関係ってなんかいいなぁって思っていました。サービスの提供者と受給者という関係性を超えて、つながりがある。だから目指すのは、もみじ饅頭が届くサービスなんです。(笑)
強調しておきたいのは、もみじ饅頭が食べたいとか、欲しいということでは決してないので、そこは誤解しないで欲しいです。

榎本:欲しそう...

奥田:(笑)
その蔵の関係って何が良いかというと、例えば布団を綺麗に使うとか雑に扱わないっていう事だと思うんです。僕らが定期便で商品をお届けするということがただの消費行動じゃなくて、仲間みたいな形の関係性になったらすごいなと思っています。

榎本:そうですね。メールでもインスタの投稿でも良いんですけど「こんな風に食べてみたらおいしかったです」とか「こんな風に使いました」みたいな。何かしらの会話ができたら密なつながりができそう。
しかも継続して伊那の森をお届けできるっていうことにもすごくワクワクしています。

森と暮らしをつなぐ 季節感を届ける定期便

ものを届けるだけではなく、“顔が見える関係性”を大切にしたいという“森と暮らしの定期便”。具体的にどんなものが毎月届くのでしょうか。

奥田:先ほど話したように木工製品や経木だけだったら難しかったんですが、野菜も育てているし、送れるよねってなって。送るものについては榎本さんが中心になって選んでくれています。

榎本:毎月テーマを決めて、そこから詰めるものをイメージしたいと考えています。
一番大事にしたいのは“季節感を届ける”というところ。最近、イベント出店で東京とか都会に出かけることが多いんですが、山は見えないしビルばっかりで「これじゃあ季節を感じることは難しいよな〜」と思うんですよね。

奥田:そうですね。今伊那は山々の緑がめちゃくちゃ綺麗。

榎本:めちゃ綺麗。ここでは季節の小さな喜びが日常の中にあって、そういうものを箱の中に詰めてお届けしたいと思っています。

奥田:7月の初回は、山麓農場のトウモロコシが入る予定なんですよね。

榎本:はい!トウモロコシは毎年好評いただいているんですけど、生でも食べられます。

奥田:これまでは作物を絞って栽培してきたけど、小瀧さんや高野さんの技術力が向上してできることが増えてきた。今年は少量多品目を栽培するので、いろんな野菜をお届けできそうですよね。

榎本:去年から青山ファーマーズに出店しているんですけど、やまとわの野菜のファンになってくださったご家族がいて、毎回「今日はどんな野菜があるんですか?」ってお声がけいただくんです。それがとっても嬉しくて。
毎年トウモロコシを購入下さっている方たちもそうですが、リピーターがいらっしゃるということは、小瀧さんと高野さんの栽培技術が上がっているということの証なんじゃないかなと思います。

奥田:それと堆肥舎ができてから1年経って、すごく良い堆肥が仕上がったんですよ。なので、今年はよりおいしい野菜を届けられるんじゃないかと思っている。

榎本:すごく楽しみですね。
それと毎回、手紙を入れます。川内さんから森の施業の様子だったり、畑の様子を小瀧さんが書いたり。その時期にお届けしたい話をやまとわのスタッフが書く予定です。やまとわのスタッフそれぞれのキャラクターを感じていただけるような、個性あふれるものになるんじゃないかな。

奥田:ほかにはどんなものが入るんですか?

榎本:雑貨系ですね。経木はもちろんお届けしますし、ものづくりの過程で出て来るヒノキの鉋屑を使った入浴剤も入れたいなと思ってます。そういうものをお届けしつつ、私たちがおすすめしたいなと思うやまとわ以外のプロダクトもお届けしたいですね。

奥田:あと、森の焼き菓子も入るんですよね?

榎本:焼き菓子も入ります!伊那谷フォレストカレッジの焚き火交流会で、私が一番楽しみながら取り組んだお仕事だったんですけど、それだけで終わるんじゃなくて今回の定期便につなげることができたことが本当に嬉しくって。
焼き菓子を作っていただくmonoto bakeの田中さんに相談した時に「つながりを大事にするっていうところに、なんかグッときます。ぜひやらせてください」って言って下さったんですよ。嬉しかったなー

奥田:田中さん、いつもにこにこ笑顔ですよね。そういうつくり手の皆さんも、今後少しずつご紹介していきたいですね。

榎本:今のところ、毎月アカマツや山椒とか森の食材が入っているオリジナルの焼き菓子をお届けする予定ですので、ぜひ楽しみにしてもらえたら。
ご自宅でコーヒーやお茶と一緒に焼き菓子を食べながら、ゆっくりとした時間を過ごしてもらえると嬉しいですね。

届けられるものではなく、届けたいものを届けよう

この定期便は、送料含めて6,600円(税込)。一般的な定期便の価格よりは、少し高めの設定のように感じますが、この価格にした理由はどんなところにあるのでしょうか。

奥田:そうですね、価格についてはいろんな意見があると思うんですが…
一番は、森のことを届けるにはこのくらいの価格じゃないと僕たちが届けたいものを届けられないということなんです。価格を下げることも考えましたが、そうすると届けたいものではなく届けられるものになってしまう。
そこは挑戦的チャレンジではあるんですけど…その辺りは榎本さんも悩んでいましたよね。

榎本:すごーく悩みました。森に対する思いがあったとしても、月額6,600円を支払うということは簡単にできることではないと思うんです。だからこれはやっぱり価格を下げた方が良いのかなと思って、下げた場合にお送りするものをリストアップしてみました。でもそうすると、物足りなさをすごく感じてしまって…
今はまだ見えていないんですが、この定期便に共感して下さる方はいらっしゃるんじゃないかと、満足いただけるような内容を考えています。

奥田:民族・部族という話をしたけど“森のTribe”になろうということで、500人の仲間を見つけられたらいいなって思っています。ずっとそうやって言っていたら、最近そんなに高くないと思い始めてきましたもんね。

榎本:そうですね、最初はこの金額で大丈夫かなという気持ちもあったけど、今は満足していただけるんじゃないかなという気持ちが大きいですね。

もうすぐスタートする定期便。初回ならではというポイントがあったら教えてください。

榎本:初回申し込んでくださった方限定でやまとわの木工職人がつくった一輪挿しを差し上げます。

奥田:おぉっ!良いですね。

榎本:毎回定期便で、その季節の伊那の森を表す植物を入れられたらと思っているんですが、その一輪挿しに挿していただいて、インテリアのひとつとして暮らしに彩りを添えられたら嬉しいです。

榎本:それと森のおやつとして、7月は木曽の笹団子をお届けしたいと思っています。木曽のお母さんたちがひとつひとつ手作りしている、個人的にも大好きなおやつです。
プレーン、くるみ、あんこ入り。3種類からどれかひとつをお送りするので、何が届くか楽しみにしていてください。

奥田:笹にまかれたちまきのようなやつですね。

榎本:そうです。山の近くの暮らしには、自然とともに生きるたくさんの知恵が詰まってる。その中でも私は特に里山の食文化が好きで、そういったものも定期便でお届けしたくって。この笹団子(木曽では笹っこと呼ばれています)も、そのひとつです。

奥田:食べたことがない人も多そうですもんね。

榎本:葉っぱの中にお団子が包んであって、フォルムもめちゃくちゃ可愛いんですよね。笹の爽やかな香りと、素朴なおいしさをぜひ味わっていただきたいなと思っています。

この定期便は、一般的にイメージされる定期便とは全く違いますが、やまとわの定期便を表す何か別の表現があればぜひ教えてください。

奥田:“族長からの手紙”(笑)

榎本:(笑)

奥田:実家からの仕送りみたいな話はあるけど、そうではないなと思っていて。ここには、お互いへの尊敬と尊厳があるって思うんですよ。なので親の思いやりとしての仕送りというよりは、森の族長から届く「今年はこんなものが採れましたぞ」みたいなイメージ。顔とか心意気みたいなものが共有できる仲間になれると嬉しいですね。

榎本:“森と暮らしの定期便”ということで、森の近くにいなくても箱の中のものを通して森を体験できる。森とつながる暮らしってこういう事なんだなっていうのを感じてもらえたら。

森からまちへと「森の五感」を届けていく。

やまとわ“森と暮らしの定期便”は、2025年6月11日に募集開始、発送は7月の第4金曜日から始まります。

私たちと一緒に、森とつながる暮らしを実感しませんか?

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